ファイン株式会社

“お口の健康”を
すべての人へ届ける

  • 勤務地 東京都品川区南大井3-8-17
  • 業種 素材、食品、メディカル

「品質・遊び心・美しさ・技術の共存」をモットーに、皆様のお口の健康のお役立ちをするべく、ベビーから高齢の方の歯ブラシや介護用品など、女性ならではのきめ細やかな視点で商品開発を行い、開発、製造~包装まで全て国内の自社工場や国内協力会社様と連携し、安全・安心な商品を生産・出荷しております。

それなしでは生活できないモノ?

かつてアメリカのとあるアンケート調査で歯ブラシが1位になったことがあるそうだ。そのテーマは「それなしでは生活できないものランキング」。歯ブラシは、自動車、電子レンジ、PC、携帯電話といった“手強いライバル”を押し退けて堂々1位の座を獲得したという。そもそもなぜ歯ブラシとそれら選択肢の組み合わせなのか?など気にならないといえば嘘になるが(マーケティング活動の匂いもしなくもないが…)。選択肢に並べられたら大抵の人が無視できないような、本当はとても身近で大きな存在なのかもしれないと、素直に思ってしまうような歯ブラシ。

こんな歯ブラシを企画・製造・販売している会社がある。それも国内の自社工場で生産しているのだ。“どこでも・安く・買える”歯ブラシであるが、それを扱うビジネスを通してあらためて見つめ直してみると“なくてはならない大切なモノ”であることを、あなたも深く感じることができるかもしれない。

日常の暮らしの中にあるオフィス

品川から京浜急行に乗り約10分で大森海岸駅に着く。ここは品川区の南端であり駅前の大通りを渡ればお隣の大田区という場所だ。超高層ビルが林立するビジネスエリアの品川駅からほんの少しの時間、電車に乗るだけで街の表情は一変する。大森海岸駅の周辺は第一京浜が接していることもあり交通量は多いが、一歩大通りから離れると少し落ち着いた空気が漂う。途中、買い物袋を提げた親子が通り過ぎる。ここには日常の暮らしの空気があるのだ。

駅から7分ほど歩き、今回ご紹介するファイン株式会社の本社オフィスに到着。打ち合わせスペースにてインタビューさせていただく清水直子社長をお待ちする。スペースの周りには数多くの歯ブラシなどの商品サンプルが並んでいる。量販店の棚に並ぶ歯ブラシも多種多様で面白いが、こちらも負けず劣らず面白い。一見して量販店ではあまり見かけることがない色々な歯ブラシが並んでおり、さっそく関心が高まってきたところ、程なく清水社長が来られた。

“ユーザーニーズ”というモノづくりの基点

ファイン株式会社は、歯ブラシの企画開発・製造・販売を中心に事業展開している会社である。創業は昭和23年であり、当時はローソクの製造事業からスタートしたが、後に歯ブラシ事業へ進出。その後歯ブラシ事業を分離し設立されたのがファイン株式会社であり、現在までに至っている。工場は三重県に構えており、冒頭で述べたように国内自社工場での一貫生産により日本製歯ブラシを実現している。国内自社工場製にこだわることに加え、もう一つの同社歯ブラシ事業の特徴は、ニッチなセグメントに向けた商品開発力の強さだ。打ち合わせスペースに並ぶ商品サンプル群は、一般向け商品の充実と共にベビー・キッズ向けと高齢者・要介護者向け歯ブラシのバリエーションに目を見張るものがある。

一般向けに加え、ニッチな商品まで揃えるバリエーションの豊富さについて清水社長は、「展示会などでお会いするお客様のニーズに応えてきた結果です。元々はOEM供給が軸でしたので現在のような自社商品の品揃えはありませんでした」と、必然のながれであったと話す。「昔の歯ブラシの売り場といえば、個人経営の薬局が主でした。しかし、現在はドラッグストアチェーンなどに変わりました。そこでは低価格商品の充実が求められますので、海外生産のメーカーが優位になります」

この売り場の変化への対応に、同社は自社商品の企画開発力を強化し続けてきたという。「特にベビー・キッズと高齢者・要介護者向けについては、これまで大企業が参入に踏み切りにくい状態が続いてきました。当社では、その間に一歩一歩着実にお客様のニーズに応える力を蓄積してきました」と振り返る。「中でも介護向け市場はこれからが楽しみです。あらゆる歯ブラシの中でもダイレクトに役立っているんだ!と強く感じる分野だと思っています」と清水社長は話す。

ニッチ分野への挑戦は、価格競争を回避する定石ともいえる。だが、ボリュームゾーンでは経験することのない繊細で複雑、かつ見えにくいユーザーニーズに対応しなければならない。これについて清水社長は、「まずは、コンスタントに年間を通じて展示会へ出展して、私自らが直接の声をお聞きすることが基本と考えています。介護やエコなど様々な切り口の展示会へ参加して専門家の方、業者の方、一般ユーザーの方など様々な方の生の声をお聞きします。歯ブラシ自体が日常のモノですので、そのような場でも比較的容易に思いを語っていただきやすいのだと思います」と、清水社長自ら生の声を聞くことが基本と語る。

「展示会などでユーザーさんなどの生の声を集めた後、それを私なりに整理し社員へ展開することが多いと思います。そして企画開発へ進む場合は、製品化まではだいたい1年程度必要となりますので、どんな歯ブラシが良いのか、気付けば考えている状態になりますね」と、にこやかに語る。

世間では、「ユーザーニーズをキャッチせよ!」というトップ指示が下り、あらゆる策を講じてその洗い出しに日々苦心している現場が多い。しかし、それがニッチであればあるほどニーズを見定めることは容易ではない。そのような中で、同社の取り組みは、至ってシンプルである。もしくは、アナログ的である、と懸念を持って表現する方もいるかもしれない。だが、社会に役立つ取組みをしているというトップ自らの想いを基盤に、ユーザーの生の声をトップ自らが集め、整理しダイレクトに社員へ展開する。ユーザーニーズを見つめ直すことが求められている現在、これほど先端的なモノづくりのプロセスは他にはないと思う。複雑かつ大きい組織では取り組めないモノづくりのわかりやすい実例に今ここで出会った気がした。

変わること、変わらないこと

清水社長は、一昨年に代表取締役へ就任してから1年が経った。清水社長の母である先代からのバトンタッチであった。同社は、日本の中小企業の多くが抱える課題である事業承継のプロセスを今まさに実行している会社でもあるのだ。

「先代は、ベビー・キッズ、高齢者・要介護者向け市場を開拓してきました。その先代が言ってきた『仕事は一人では出来ない。だから社員を大切に』という言葉がよくわかった1年目でした」と清水社長は言う。社長就任前は、副社長という立場で事業にたずさわってきたという清水社長。「社長になって、はっきりと感じた変化のひとつが、急に社員が家族のような、そんな感覚になったんです」と、気持ちの変化を語る。「逆に、副社長のときにあった勢いみたいなものが少し弱まったかなと。いろいろなことに目を向けなければいけないので、そのさじ加減は今後の課題ですね」とも。

「副社長時代は、事業承継という課題もあり、日々の業務に加えて勉強に費やす時間もかなりあって、しょっちゅう外出していましたね」と振り返る清水社長。「社長になってからは、業務もそれなりにあるので以前のような動きは難しいのですが、意識的に常に外へ向かわなければという思いを持って、夕方以降はセミナーへ参加したりしています。それと、土日は歯科や介護などの学会へ参加していることも多いですよ」と、最近の動きについて語る社長。

今までの仕事で印象に残っている、うれしかったことについて聞くと、「そうですね…。歯ブラシ屋でよかったと思ったことは、あるリハビリ系の学会に参加した時のことですね。そこである発表を聞いていたんです。それは口腔ケアの報告でした。口腔ケアを施した結果、2か月で寝たきりの方が自分で食事ができるようになったという話でした。よく見るとそこに自社の歯ブラシがあったんです。あの時は、本当に感動しましたよ!」とその時の出来事を熱く語る社長。「その時ほど、歯ブラシが人の人生を変えられるのかと、命にかかわる仕事でもあるのかと感じた時はありませんでした。これからも本当に気を引き締めて、姿勢を正して取り組んで行きたいですね」

歯ブラシとは、変わるものなのか?変わらないものなのか?
“歯を磨き清潔に保つ道具”であることに変わりはない。しかしコスト競争の結果ともいえる量販店の棚を見て、もやっとした気分を持つユーザーもいるのではないだろうか。自分の考えるニーズを充たしてくれない歯ブラシ群を見ているユーザーは、新しい変化した歯ブラシを求めているのだ。そして、変化した歯ブラシを生み出すのは、変わらないものづくりの意識と、それを大切に継承する組織の力なのだろう。

後記

ユーザーニーズに応えることで変わり続ける歯ブラシ…。
そんな未来もあった方がきっと楽しいし、幸せなんじゃないか?と密かに思うのは私一人だけだろうか。今の歯ブラシは、私たちにとって身近すぎて、ある意味で空気みたいな存在というのが、正直なところかもしれない。でも、ユーザーの価値観は確実に変化していると思う。近年歯ブラシの国内出荷額は増加傾向という数字もある。少なくとも定期的な買い換えの意識が定着しつつあるなど、一定の意識の高まりがあるのではないか。
ユーザーの“安ければよし”という感覚が薄れ、何らかのこだわりを持つことが広がり、おのずと購入単価もじわじわと上がってゆく。そんな市場の変化が始まっているとみた。

このような変化の時代に業界をリードするのは、今回紹介したファイン株式会社のような、ニッチ市場でユーザーニーズを的確にキャッチする事に長けた会社であることは確かだ。

(120123 yamahiro)

  • 社名:ファイン株式会社
  • 住所:東京都品川区南大井3-8-17
  • 設立:1973年10月(創業1948年)
  • 資本金:2000万円
  • 従業員:22名
  • 売上:
  • 代表者:代表取締役社長 清水 直子
  • 企業HP:http://www.fine-revolution.co.jp
[事業内容]
歯ブラシ製造販売(キャラクター、オリジナル等)
エコロジー商品各種(生分解性樹脂歯ブラシ等)
介護用品(機能回復自助具)
キシリトール入りグミキャンディ
医科・理化学器具類用洗剤
OEM商品製造
[採用情報]

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